変換器用ひずみゲージの種類と選択

ひずみゲージは応力測定用途に合せ、ひずみゲージ式変換器のセンサ用ひずみゲージとしても、幅広く利用されています。ひずみゲージ式変換器は各種の物理量を起歪体(弾性体)の機械的ひずみに変換し、この機械的ひずみをひずみゲージで電気的に出力させます。ひずみゲージ式変換器には次の様な種類があります。

  • 荷重変換器
  • 圧力変換器
  • 加速度変換器
  • 変位変換器
  • トルク変換器

変換器用ひずみゲージの種類と選択

パターン形状とゲージ長

単軸、2軸90度、トルク(せん断用)を用意してあります。

パターン形状 ゲージ長(mm)
単軸 2、3
2軸90度 2、3、6
トルク(せん断)用 2

パターン形状

単軸 トルク
LA CT
2軸90度 2軸90度
CB CM

2軸90度ゲージは、ゲージタブの形状により2種類に分けられます。CMタイプはハーフブリッジを構成しています。

ゲージ抵抗値 単軸、2軸90度、トルク(せん断用)

パターン形状 抵抗値
単軸 350、1000
2軸90度 120、350
トルク(せん断)用 350

※1000Ωゲージは350Ωゲージに比べてブリッジ回路の消費電力が少なく、またグリッド部分に発生するジュール熱が低くなります。

ゲージベース材料

変換器用ひずみゲージのベース材料は応力測定用のひずみゲージと異なり、使用温度や接着方式だけでは決められません。変換器としての性能を発揮させるために起歪体(弾性体)との組合せにより最適なゲージベース材料を選択してください。

使用温度範囲

ゲージシリーズ ゲージベース材料 使用温度範囲
F 特殊プラスチック -20 ~ + 80℃
QF ポリイミド樹脂 -20 ~ +200℃
EF ポリイミド樹脂 -20 ~ +200℃

使用温度範囲と耐熱温度は異なります。
Fシリーズ(特殊プラスチック)でも加熱硬化型の接着剤による接着が可能です。(C-1接着剤)

C-1接着剤の接着条件

  プレキュア ポストキュア
加圧 200~300Pa 除圧
加熱 120~130℃ 200℃
時間 2時間 1時間

温度補償

応力測定用ひずみゲージと同様に軟鋼、ステンレス鋼、アルミニウムを対象材料として自己温度補償ゲージを用意しています。自己温度補償ゲージでブリッジ回路を構成しますと、容易に温度補償ブリッジ回路が形成されます。また、ブリッジ回路に零点補償抵抗を付加することで、更に高精度の温度補償が可能です。
※EFシリーズは軟鋼専用です。

クリープ補正

ひずみゲージ式変換器では特にクリープ特性が重要です。一般には起歪体(弾性体)の材料クリープ(+)とひずみゲージのクリープ(-)とで相殺することで、クリープ補償を行っています。ひずみゲージのクリープはゲージベース材料(材質・厚み)、グリッド形状、接着剤に起因して発生します。
変換器用ひずみゲージではグリッド形状を工夫した、クリープ調整用ひずみゲージを用意し、クリープコードで識別していますので、高精度のクリープ補償が可能です。

クリープコード

ゲージクリープ 大  →  小
クリープコード C2>C4>C6>C8

温度感度補償

起歪体(弾性体)は温度により弾性係数が変化します。これに起因して、負荷状態で起歪体周辺の温度変化が起こると指示値が変化します。この影響を軽減するために、ブリッジ回路内に感度補償抵抗を付加させています。一般的なひずみゲージ式変換器のブリッジ回路の構成を下記に示します。

変換器用ひずみゲージは購入いただく前に詳細仕様の打ち合わせが必要です。
詳細は当社までお問合せください。